図星というのは、まとの中心にある黒い円のことらしい。
うっすら気にかけていたことを突かれると、たいていイラっとする。「いまやろうとしたのに」とも似た感情は、子どもの頃からあまり変わっていない。ただ、口にしなくなっただけだ。上手くいけば「あぁ、ごめん」まで言える。誰だって、それなりにはおとなになるのだ。
ザラッとした感覚の出どころが、いつもわかるとは限らない。 腹が立った理由もわからないまま喧嘩になる。「いや、そうじゃなくてさ」とは口に出すけど、はたして「どういうこと」かぼくにもわからない。さも建設的に話しているような顔で、的をはずした主張をならべる。
ようやく頭にのぼった血が下りてきた頃、どうやら図星だったのだと気がつく。今度は「せめて言い方を気をつけてほしい」などと言い出す。バツが悪い。すでに役割を終えている喧嘩を、わざわざ続ける。
黙って見過ごすこともできた相手に、ぼくの感情のはけ口まで引き受けさせる。まったく、寄りかかってばかりだ。
そんな喧嘩を昨日もした気がする。