小学校高学年になる頃には、親戚付き合いがほとんどなくなっていた。よほどの理由もなく。ただ気がついたら、正月でも親戚と行き来することが減っていた。

当時は「そんなものだろう」と思っていたし、気に留めていたのはお年玉袋の数が減ったことくらいだった。じぶんのペースで静かに過ごせることは、都合がいいとすら感じていた。

そんなふうに捉える背景には、ひと目を気にしたり、口達者でないことが影響したかもしれない。とにかく、人前であまり上手く振る舞えないと感じていた。笑い合う相手が少ないことよりも、じぶんの不甲斐なさを目の当たりにすることを嫌った。定番のエピソードトークか太鼓持ちが、どうにか場持ちさせる術だった。

結婚して、親戚付き合いが再開した。妻の親戚はみんな個性的だった。それぞれが尊重されて、ぶつかってもまた受容し合っていた。振る舞いを間違えても、ながく気に留めるひとはいなかった。取り繕う必要なんて、少しもなかった。

面倒まで共有しあえる賑やかさが、心地よかった。